【Q&A】この質問で決めちゃっていいの?
こんにちは、土谷愛です。
著書『適職の地図』の読者様から
こんなご相談が届きました。
今後家族ができたときのために
年収を上げ、自由な時間も手に入れたい
と思っています。
そのために、まずは残業の少ない会社に
転職しようと考えました。
地図は描いてみたものの
「自分の強みは本当にこれなのかな」
「ゴールはこれでいいのかな」
と不安になっています。
(20代・男性)
ワークに取り組んで、
「やりたいこと」と「ゴール」が
見つかりました。
でも、
本当にそれが自分のやりたいことなのか?
と思ってしまい、
なんとなくまだ不安があります。
(30代・男性)
今回のご相談は、
「描いた地図の通りに
進んで行っていいのでしょうか?」
という内容です。
それではさっそく、
お答えしていきますね。
「この地図でいいのかな?」を解決するたった1つの方法
ワークに取り組んで、自分の理想の未来が
見つかり、やりたいことも決まった。
地図は完成したけど、
本当にこのまま進んでいいのかな。
もしかしたら、
もっと良い地図があるのでは?
もっと他の質問にも答えたら、
違う地図ができあがって、
違う人生があるかもしれない。
いざ地図ができあがっても、
このような不安が出てくることも
あるかもしれません。
この不安を解決する方法はただ1つ。
まずはやってみる!
これだけです。
いや…そんなシンプルな!
と驚かれたかもしれません。
でも、ですね。
こう言い切れるのは理由があって、
いくら自己分析をしても、
考えに考えて地図を描いたとしても、
「この地図なら100%上手くいく」
と確信を持てる日は永遠に来ないからです。
地図ができただけでは、それが上手くいくか
どうかは誰にもわからない。
理科の実験で考えてみると
わかりやすいので、実験で説明しますね。
実験のときはまず仮説があって、
その仮説が合っているかどうかを
検証しますよね。
たとえば
「水溶液Aと水溶液Bをまぜると、
気体Cが発生する」
みたいな仮説がある場合。
本当に気体Cが発生するかは、実際に実験を
やってみないとわかりません。
実際にやってみて、
気体Cが発生した場合は、
その仮説は合っていたことになります。
でもやってみた結果、
気体Cが発生しなかったら?
水溶液AとBの分量を変えてみたり、
温めてみたり、または冷やしてみたりなど、
条件を変えてまた検証をしてみますよね。
仮説のとおりに実験して、
結果がどうなるかを検証する。
こうイメージするとスムーズですが、
実はこれ、人生も一緒なんです。
つまり、あなたの地図が描けた状態は、
実験で仮説ができたのと同じ状態です。
仮説まではできたわけなので、
「よーし次は実験して検証だ!」
=動いてみること、が必要なんですね。
というわけで、
地図が描けたら、次はそれを実践して、
「この地図で理想の未来にたどり着けるか」
ぜひ検証していきましょう!
たとえば冒頭のご相談者さんのように、
もし残業の少ない会社に転職してみたいなら
「残業減らして意味あるかな・・・?」
「これ本当に理想の未来かな。。。」
という”別の仮説”はいったん脇に置いて、
実際にちょっとでも転職活動をしてみる、
とか。
(ひとまずエントリーして、
人事の人と面接などで話すだけでも
残業なしで働く人の雰囲気が
実際どんなものかわかりますね^^)
現時点の地図では
「残業の少ない会社に入ること」
がゴールになっていたとしても、
そのゴールで良いかどうかは、
入ってみないとわからないですよね。
実際に残業の少ない会社に入って
「良かった」
と思うかもしれないし、
もしかしたら
「やっぱりもっとバリバリ働きたい」
と思うかもしれません。
これは地図を眺めているだけでは、
わからないことです。
ちょっとハードルが高いと感じたら、
いきなり転職活動を始めなくてもOK。
・残業が少ない会社で働いている友人に
話を聞いてみる
・気になる企業の口コミを複数見てみる
・3日間だけは気合いで定時ダッシュして
一人「残業なし体験」をしてみる
などなど、
他にできることも色々あるでしょう。
地図を見て
「これでいいのかな…?」
と止まっているぐらいなら、
上記のように
色々と「実験」してみることで
・検証できた仮説
・新たにわかる仮説
などが出てきて、
少しでも地図が鮮やかになっていきます。
地図は完璧じゃなくていい
でも、こう言っているわたしも、
働き方に悩んで、色々と迷いながら
ここまで進んできました。
今、わたしは結果として起業して
ひとりで自由に仕事する生活を
心から幸せだなと感じていますが、
どこにでもいる「普通の会社員」から
ここまでの道のりは、一直線の
平坦な道だったわけではありません。
ちょっとだけわたしの過去の
お話しをしますと…
元々わたしは超激務の営業職でした。
毎日、朝から晩までお客様とのアポや
会議がぎっしり。
お昼を食べる時間すらないのに、
毎日終電で帰るような日々。
(むしろ終電逃してタクシー多め…)
頑張りすぎたわたしは
ついに26歳で体を壊してしまい、
この働き方を続けることはできないと、
ようやく転職を決意しました。
次は、とにかく残業がなくて、
営業のようにノルマもない職種がいい。
当時、「自己分析」を
今ほどは大事にしてなかったので
「ちょっと甘い自己分析」のまま、
そういう仕事を探して転職しました。
いわゆる「ホワイト企業」への転職。
そして転職が決まったとき、わたしは
「この会社に入れば、人生バラ色!」
「ここで数年働いて、産休や育休もらって、
ずーーっと長く働くぞ!」
なんてことを本気で思っていました。
ところが…
なんと実際はそうならなかったのです。
働き方自体は残業も本当に少なく、
わたしの願いだった「ゆとりのある働き方」
が叶いました。
ただ今度は、それに反して、
「人間関係」や「やりがい」が
ストレスになりました。
まず「人間関係」は、端的に言うと、
職場の同じプロジェクトに
どーーしても価値観が合わない人がいて、
一緒に働くのがとても辛かったのです。
(実際、そう思ってた人も多かったのか、
わたしが入社してから半年の間に、
その小さなプロジェクトから2名も休職者が
出たという…怖かったです)
そして、
「やりがい問題」についても
盲点な気づきがあったんです。
そのときの仕事は、社内の人向けの仕事で、
仕事をして誰かから「ありがとう」と
言われる機会がそんなにありませんでした。
けれど、前職の営業職時代は、
お客様から「ありがとう」と
直接言ってもらえる機会が頻繁にあり、
営業なので、自分の提案に対して
お客様の大切な「お金」という
わかりやすい対価を任せていただける
仕事でした。
その「ありがとう」の言葉が
わたしが仕事をする上での
本当に大切なモチベーションだった
・・・ということに
ここでわたしは初めて気づいたのです。
営業の時は、
ある意味「当たり前」に思ってしまっていた
のだな…と思ったものです。
働き方を変えたいと転職した結果、
「わたしは人に影響を与えたり、
感謝をもらえる仕事の方が楽しい」
という価値観を知ることになりました。
この経験から、わたしは
・「一緒に仕事をする人」を自分が選べる
・直接「ありがとう」の言葉が聞ける仕事
・自分の仕事で誰かの人生を前向きにできた
と実感しながら、その対価がもらえる
を叶える仕事を探しました。
でも、転職してまた企業に勤めた場合、
自分のペースで仕事はできないし、
一緒に働く人も選べない。
直接「ありがとう」の言葉は聞きたいけど、
会社が決めたノルマを追う営業職のような
ハードな働き方はもうしたくない。
と考えた結果、
「起業するしかないのかな?」と思い、
思い切って会社を辞めて起業をしました。
今こうして起業して、大好きな仕事を
自由にできて幸せだと思えるのも、
このときの転職の経験があるからです。
それが「自分には幸せだ」と
気づけたからなんですよね。
転職して1年で辞めてしまっているので、
きっと誰かに履歴書だけを見せたら、
「失敗」のように見えるかもしれませんが、
わたしの人生にとっては良いことでした。
人生に絶対的な正解があるなら、
誰も悩まないんですよね。
そんなものがあるなら、
わたしもこんなに悩んだり、転職したり
しなくて良かったと思います。
でも人生って、関わる人や環境で変わるし、
自分の価値観や得た知識やスキルでも
変わります。
そう。
変わるし、変わっていいんですよ。
だから、地図が描けたら、
まずはその地図を実際に進んでみましょう。
進んでいる中で、気づくことや
変わっていくことも出てきます。
そのときは、また新しい地図を描けばいい。
だって、地図のとおりに完璧に
進まなかったとしても、
そこで人生が終わるわけじゃないですよね。
新しい理想の未来を見つけて、
またそこに向かっていきましょう^^
ということで今日は、
「描いた地図の通りに
進んで行っていいのでしょうか?」
というご質問に回答してみました。
地図が描けたら、まずはやってみる!
これを鉄則にしてくださいね。
いきなり「起業!転職!」みたいな
大きなチャレンジばかりじゃなくて、
ほんの小さなことからでもいいです。
地図に描いた「やりたいこと」を
1つずつ、まずはやってみましょう。
そうすることで
今はまだ「仮説の地図」が
あなたの「適職の地図」に
どんどん鮮やかに変わっていきます。
あなただけの「理想の未来」とは?
ちなみに、これは
今だから言えることなのですが…
わたしが「起業」を選んだときに、
『適職の地図』を手にしていたら、
今とは違う地図を描いたかもしれません。
今日お話ししたように、
自分の価値観に気づいたわたしは
「起業」を選び、たいしたあてもなく
ポンと会社を辞めてしまいました。汗
その当時の無知だったわたしには、
「転職」か「起業」か、
そのどちらかしか選択肢がなかったから。
「転職はそれまでに何回もしたけど、
結局わたしの悩みは、雇われていると
解決しづらいなあ…」
↓
「じゃあ起業しか残ってないのか…
(やるしかないんだな…)」
みたいな。お恥ずかしながら
とっても単純な思考でした。笑
でも、もしその当時わたしが
この『適職の地図』を手に取っていたら、
いきなり「起業」を選ばなくても
良かったかも、と思ったりもします。
「会社員の安定性」も、食べてく上で、
とても大切なことの一つだからです。
なので、このとき『適職の地図』を
読んでいたら、
残業なしで定時退社が
可能なその会社で働き続けながら、
(苦手な人は頑張ってスルーしながら)
人から「ありがとう」と言ってもらうことは
まずは「副業」で実践する!
(起業するかはそのあとまた考える)
って選択肢もあったなと思うんですよね。
副業についても
これまた『こっそり副業術』という著書を
今は自分で出してるんですが、
当時のわたしがそれを読んでいたら、
副業で自分ができることを提供しながら
お客様から「ありがとう」をいただけてた
かもなぁ、、とか。
会社の人間関係のストレスはあっても、
それこそ『適職の地図』で
いろんな選択肢を検討する方法を知ってれば
まずは異動願いや成果を出して
嫌な人と早めに離れる方法をためそう!
と前向きに考えられたかも。
遅かれ早かれ起業の道や
出版する結果になっていたかもしれないし
今はそれで大満足なんですが、
当時、悩んでいた自分を振り返ると、
「あの悩んでいたときのわたしに、
自分の書いた本を渡してあげたい」
とも感じますね。
だからこそ、あのときのわたしと同じように
仕事や人生に悩んでいる方に
『適職の地図』
をもっとお届けしたいな…と
その気持ちが強くなります。
色んな選択肢から
あなただけの「理想の未来」を
諦めずに描いてほしい。
そして、少しでも悩みを解消して、
前に進んでほしい。
遊ぶように人生を楽しんでほしい。
そんな思いで、今日もこうして
色々とお伝えしています。
すみません。
今日は何だか熱くなってしまいました。
せっかく著書を手にとってくださった
そんな皆さんのお悩みに添える回答が
一言でもありますように。
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