他の人より劣っている自分…
こんにちは、土谷愛です。
先日、著書『自分を知る練習』の読者様から
こんなご相談が届きました。
私は今まで何度も転職をしてきました。
色々な経験はしていても、どれも職歴が
浅いため、誰よりも知識があると思えず、
「これが強み!」と言えるものが
なかなか出てきません。
どれも
「こんなの他の人にもできることだし…」
「これができても普通、と
思われるんだろうな…」
と考えてしまい、自信が持てません。
どうしたら強みが見つかるでしょうか?
(30代・女性)
今日は、
「他の人より優れた強みがない自分は
ダメだと思ってしまう」
というお悩みにお答えします。
「誰でもできること」こそ強みである
ズバリ結論から言うと。
「強み」とは何か?をちゃんと理解すると、
現時点で「他の人より優れていないこと」は
まったく気にならなくなります。
もし、このご相談者さんのように、
「これが私の強み」と言えるものがない…
と思ったときに考えてほしいこと。
それは、
「強み=他の人より優れていないとダメ」
という思い込みを持っていないか?
です。
『自分を知る練習』でわたしは、
「強み」とは
「目的達成のために使える特徴」
と定義しています。
・・・いいですか? もう一度言いますね。
「自分の目的を達成するために使える特徴」
←これを「強み」と言うのです。
「他の人より優れた特徴」が
「強み」なのではありません。
たとえば、あなたの特徴が
「手先が器用で、裁縫ができる」
だとしましょう。
これだけを聞くと、
「こんなことは強みにならない」
と思ってしまうかもしれません。
なぜなら
「裁縫は誰でもできることだ」
と考える人が多いからです。
でもここで、あなたの目的が
「副業で小さくても収入を得ること」
だったらどうでしょう?
その目的達成のために
「裁縫ができる」という特徴は
まったく使えそうにないでしょうか?
現に、裁縫スキルを活かして
・裁縫が苦手な人の代わりに、
幼稚園などで使うお道具バッグなどを
作って販売してみよう
・洋服の丈を直したりする、
洋服の補正を受け付けてみよう
・可愛い刺繍を入れるサービスを
出してみよう
など、色々な形で収益化している人は
世の中にたくさん存在しますよね。
このとき、あなたの「裁縫スキル」は
ただの「特徴」から「強み」に変化します。
「副業で収入を得る」という目的を
その特徴によって達成できるからです。
もちろん目的が副業の場合だけではなく、
目的が転職であっても、
「裁縫スキル」は強みになりえます。
衣類やバッグの縫製仕事、
靴の修理屋さん、
クリーニング屋さん、
舞台の小道具制作、
ウエディングドレスのプランナー
などなど…。
「裁縫スキル」が活きる仕事に就くなら、
当然、強みになりますよね。
・・・逆に、もしこのとき
「私はTOEIC満点です」なんて実績を
持っていたとしても、
裁縫が得意な人を求めている会社から見たら
その特徴は強みになりません。
このように、「強み」とは、
「目的を達成するために使える特徴」
のことなので、
必ずしも「他人より優れていること」が
「強み」だとは限りません。
強みの見つけ方【他人と競争が必要な場合】
ただし、
「裁縫スキル」を活かして、
「お道具バッグを作って販売しよう!」
と考えたときに、
他にも販売している人が大勢いる場合は、
もちろん他人との競争が発生します。
お客さんは、
「たくさんあるお道具バッグの中から
どれを選ぼうかな?」
と比較検討するわけなので。
こういう場合には、自分の特徴を
人と比べる必要が出てきますね。
ただ、注意してほしいのは、
「自分の裁縫スキルじゃ勝てないかも…」
と悲観しないこと。
本当にそうでしょうか?
だって、極端に言えば、それだと
「裁縫スキルが1位の人以外、
商品は売れない(or就職できない)」
ってことになりませんか?
・・・実際はそんなことありませんよね。
ではどうすればいいか?と言うと、
自分の商品を売るために、
【かけ合わせて使える特徴】を
もう少し探してみるとよいです。
たとえば、
・布の色使いが素敵と言ってもらえる
・縫い方が丁寧で丈夫だと言ってもらえる
・裁縫のスピードが早いね、と驚かれる
など。
他にも使えそうな特徴はないかな?と
自分を棚卸してみましょう。
くれぐれも、
「他の人よりずば抜けて優れた特徴
でなければいけない!」
とは考えないでくださいね。
確かに
・他の人より優れている特徴
・他の人が持っていない特徴
などは、もちろんあるなら良いのですが、
戦い方はそれだけではありません。
基本の裁縫スキル
×
色使い◎
×
丁寧で丈夫
×
スピード納品
といったように、
複数の特徴をかけ合わせていくことで、
あなただけの「強み」になっていきます。
逆の立場で考えてみたら、あなたが
「手持ちの服のほつれを直して欲しい」
と考えたとき
【世界一うまい裁縫職人】みたいな人に
絶対に頼みたいと思うでしょうか?
・・・大抵、そうでもないですよね?
むしろそこまでのクオリティじゃなくても、
・ほつれが気にならない程度に直って
・ほつれにくく丈夫に縫ってくれて
・しかも明日の商談に間に合うように
スピード納品してもらえる
みたいな【普通の人の丁寧なサービス】でも
十分満足できるはずです。
いかがでしょうか?
だんだん、
「誰にも負けない優れた強み」なんて
そうそう必要ない、ということが
わかってきたのではないでしょうか^^?
強みを見つける4ステップ
今日のお話をまとめると、
強みを見つける4ステップはこうです。
①「強みは他の人より優れていないとダメ」
という思い込みを捨てること。
②「強み=目的達成のために使えるもの」と
定義をしっかり理解すること。
③「何を達成したいか」目的を決めること。
④自分の特徴をたくさん書き出し、
③の目的達成のために使える特徴を
パズルゲームのように組み合わせてみる!
このステップを丁寧に踏んでいけば、
きっとあなたの強みが見つかるはずです。
※今日の内容と併せて
『自分を知る練習』35~40ページや
第4章をもう一度読んでいただくと
「強み」について理解が深まると思います^^
・・・ちなみに。
わたしの『適職の地図』という著書では
「強み」をゲームになぞらえて
さらにわかりやすく解説しているので、
興味があればお手にとってみてくださいね。
『自分を知る練習』では触れていない
「強み」の見つけ方やワークも満載なので
おもしろく学んでいただけると思います。
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