「起業なんて無理だ、やめたほうがいい」そう思い続けて10年の会社員が脱サラした話
こんにちは、土谷愛です。
今日もコンプレックスを才能に変えたお話を紹介します。
「起業なんて自分には無理」と言い続けたSさんの話
今から紹介するのは
「平凡であること」がコンプレックスだったがゆえに起業家の夢を諦め、10年間も会社を辞められなかった
とある男性の話です。
いわゆる「普通の環境」で彼は育った
彼はいつも「平均的」な人間だった。
学生時代は勉強も運動もそこそこ。
1位を取ることは決してないけど、ビリの方になることもない。
いわゆる”平均点”を取るタイプだった。
彼の家は特別裕福でもなく
けれど生活に困るほど貧乏でもなく。
クラスで目立つわけでもなく
かといって特に目の敵にされいじめられるわけでもなく。
学生時代は
人並みに反抗期を迎えたり
人並みに恋をしたり
人並みに悩んだりもした。
まるで教科書に出てきそうなくらい、
人間として健全で順調な成長を続けた。
彼の人生はいつも
それなりに楽しく、
それなりの学校に進学し、
それなりの会社に就職した。
けれど
実は彼の人生の中では
その「平凡である自分」が決断の足かせになることが多かったのだ。
夢も恋も「平均点」では手に入れられないと思っていた
彼は高校生の頃から映画を観るのが好きだった。
ストーリーやセリフ、
演出、
音楽、
風景など…
普段は出会うことのない世界を体験させてくれる映画の世界に憧れてたのかもしれない。
気に入った世界観の映画に出会えば
同じ監督の作品を片っ端から観まくった。
だから将来は映画監督になりたい!と
夢を見たこともあった。
けれど”平凡”を自覚してた彼は
「自分には才能がないから無理だろうな」
とすぐに思うのだ。
彼の胸の中にあった夢は一度も口にすることなく、あっけなく終わってしまった。
こんな話もある。
大学生になったばかりの頃、
同じサークル内でとても好きになった女性がいた。
けれどその女性は可愛くて明るくてみんなの人気者だった。
顔も体型もファッションも”平均点”だと思っていた彼は
「俺なんかには無理だろうな」
と何もできずに、ただただ友人として接した。
「好き」という気持ちを見せることもなかった。
間もなく彼女は
同じサークル内の別の友人と付き合い始める。
友人はめちゃくちゃ容姿がいいとかではなかったけれど、積極的にアプローチを続けたそうだ。
こうして彼の恋は人知れず終わった。
彼にとっては
「平凡だ」
ということが無意識のうちにコンプレックスになっていた。
何かで1番になったことがなかった。
苦手なことは少ないけれど
これだけは人に負けないと思えることがなかった。
だから何をするにも選ばれない人間だと、
彼は自分に自分でレッテルを貼ってしまっていた。
「起業したい。でも自分には無理だ」
彼は大学を卒業し社会人になった。
就活でたまたま受かったシステムエンジニアの仕事。
仕事はそれなりに楽しく、
一生懸命がんばった。
しかし徹夜続きの労働環境や
理不尽な上司などに年々疲れていく。
転職しようか、とも思ったけど
仕事の内容はやりがいがあって好きだった。
あるとき彼は
どうしても納得できない経験をした。
エンジニアとして
彼がベストだと思う仕事のやり方があって
お客さんもそれを望んでいたけど、
自分の会社の勝手な都合で
それが実現できなくなってしまった。
とてもくだらない都合だった。
「組織のしがらみに縛られずに良い仕事がしたい」
と彼は本気で思うようになった。
それを実現するには
独立して個人事業主になるしかない。
そんな考えがよぎったけど
「でも…自分に起業なんて無理だろう」
彼はまたそう思った。
そして自分の気持ちを抑え、
そのまま会社に勤め続けて10年が経った。
昔抱いた「独立する」という気持ちはまだ胸の中にしまったままで、どこかモヤモヤする日々を送っていた。
そんなとき彼は
友人に紹介されたとある一人の女性と出会う。
”平凡”に隠れた才能に気づく
その女性は
もともと営業の仕事を長く続けていたものの、今は独立して個人で仕事をしている、と言っていた。
人の才能を見つけて
仕事に活かすアドバイスをしているそうだ。
そうは言っても
さすがに自分は平凡すぎて何もでてこないだろうから、申し訳ないな…と思った。
けれど話をしている中で
「物事の全体像をすごく的確にとらえる方ですね」
としきりに言われた。
自分ではそんなことを思ったことがなかったが
「何か今までスポーツとかされてました?」
と聞かれてハッとした。
学生時代は中学高校とサッカーを続けていて
試合ではチーム11人で動くから、
敵も含めて常に全体を見渡す習慣は確かにあった。
特別強い部活でもなかったし
自分も別にうまくはなかったから
すっかり忘れてたけど
それはきっとサッカーを長くやったからこその習慣だと言われて妙に腑に落ちた。
他にも仕事の話や
自分の価値観の話をしていくうちに
「大きなプロジェクトをまとめていくマネジメントの仕事はかなり向いてるんじゃないですか?」
と提案された。
驚いたのは
まさにとあるプロジェクトのマネジメント層の人手が足りないと
知人から相談されたばかりだったからだ。
ただそれも
「経験がない自分にはきっと無理だろう」
そう思って断るつもりだった。
その後、
彼は覚悟を決め、会社を辞めて独立した。
エンジニアの経験を活かして、
これからは自分ならではの提案ができる。
生まれて初めて何かに挑戦する自分にわくわくしていた。
Sさんの事例まとめ
いかがだったでしょうか?
これは私が起業アドバイスをさせていただいたSさんの事例です。
いやーSさんはとても優秀な方でした。
苦手なことが少なくて
バランスよく仕事ができるタイプだし
事例の中で話したように
何事も大枠をとらえるのが速くて、
何が課題で何が足りないかを瞬時に見極める才能があると
話していてすごく感じました。
とくに情熱がなくても、
自分がスタメンじゃなくても、
サッカーという厳しいスポーツを淡々と6年も続ける。
本人は「普通だ」と言ってたけど、
私はこれってなかなかできないことだと思いました。
きっとサッカーをする上で
彼の中に「得意なこと」があって
それを無意識のうちに活かしていたからこそ
6年間も楽しめて続けられていたのだろうと思ったんですよね。
だから気づかないのが本当にもったいない、、と思い色々と話をしました。
私より年上の方で
社会人歴も長いので
「いやこれは普通のことでしょ!」と
なかなか受け入れ難いポイントも多い中、
最後はご自分で決断して、独立して楽しそうに働く姿を見られてわたしは嬉しかったです。
ちなみに後から聞いた話ですが
独立したら会社員時代から年収が2倍になったらしいです。。
2倍って。普通にすごい。笑
責任感を持つ場面が増えたけど
今のところ楽しくやってるよ、
とのことで。
私もすごく嬉しかったですね。
自分が「普通だ」と思っていることの中にこそ
他人から見たらすごいなってことがいくつもあるんですよ
ってお話でした。
コメント
コメント一覧 (2件)
Sさんのような平均であることにコンプレックスを感じる人がいるのかと驚いています。
僕はSさんと真逆です。得手不得手が両極端、特にスポーツと名のつくものが全くできない、「脳足りん」と言われいじめにあったかと思えば語学や法律などにハマり、一転して凄いと言われたり。ただ、対人関係が苦手で学校や職場が刑務所のように思えてしまい、今うつ病になってます。
40歳越えて死ぬまで刑務所なのか、脳足りんに何ができるのかと考え込んでしまってます。
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