「無意識に人を観察するクセ」がコンプレックスだった私は、生きてるだけでしんどかった。

私が25年間下を向いて生きてきた理由

私は小さいころから

「人をじーっと見る」癖があった。

 

こんにちは、と
初対面の相手と会ったら

その人の顔、
全身、
身振り手振り、
格好、
持ち物などすべて

無意識のうちにじっくり観察するように見てしまう。

 

見てる間、
「早く何か話さなきゃ」と思うけど

なにかの言葉が出てくる前に、
とにかく状況を観察してしまうのだ。

 

まだ生まれたてで何もしゃべれない赤ちゃんが、黙ってじーっと大人たちを見ているみたいに。

 

 

最初は無意識だったこのクセも
小学生になるころには自覚していて

同時にその頃から、

このクセが私の中でコンプレックスだった。

 

なぜなら

「じっと見るのをやめなさい」
と両親に何度も何度も言われてきたから。

 

 

例えば小さいとき

家族でお出かけするときも
電車で向かいの席の人をつい見てしまう。

隣を走る車の運転手の横顔を見てしまう。

 

これは、
「万が一絡まれたら危ないから」と両親にたしなめられた。

 

 

学校に行くようになっても

授業をしてる先生の顔、話し方に
つい意識がいってしまって、

肝心の”話の内容”を全然聞いてなかった、
なんてことはしょっちゅうあった。

 

だから成績はいつも悪かった。

ハタから見たら、
真面目におとなしく授業を聞いている優等生さながらだったのに。

 

 

自習の時間中、
窓の外にいる上級生をついじっと見ていたら

たまたま目が合って

「何見てんだよ!」
と怒られてしまったこともあった。

 

ビビリの私は怖くて泣きそうになったなあ…。

 

 

そんな私の”人を観察するクセ”は、
こうやって色々な人に指摘されるものだから

 

「これはダメなことなんだ」
「私はちょっと変わってるんだ」

 

と思うようになった。

 

 

だからこれは”直さなくちゃいけない”私の悪い癖だと思っていた。

 

けど、ほっとくと無意識に人をじっと見つめてしまうので

自分でもどうしたらいいかわからなくて

 

なるべく相手をじろじろ見ないように…
なるべく不快な思いをさせないように…

と下を向いて過ごすことが増えていった。

 

だけど、
「見ないぞ」とガッツリ意識していないと
ついやってしまうこともあった。

 

例えば22歳で
私は営業マンになったのだけど、

初対面のお客さんの応接室に入る瞬間は
いつも緊張状態だから

「見ないぞ」という意識がついどっかに飛んでしまう。

 

すると、部屋に通された瞬間に
「観察癖」が超発動する。

 

 

まず部屋全体を見て、
壁にかけてある賞状の中身を見て、
何なら額縁と床の平行具合を見て、

お客さんの眉毛の角度を見て、
お客さんのネクタイの柄と締め方を見て、
お客さんの靴の先の減り具合を見て…

(以下エンドレスに続く)

 

といった具合。

 

この時は、

これくらいみんなやるでしょ?
と思っていたけれど

後々になってそうでもないと気付く。笑

 

 

営業1年目のとき、
この癖のせいでとても悲しい思いをしたこともあった。

 

話を聞くときに
一生懸命集中しようと思うと

喋っている相手の目や顔をくまなく見てしまうものだから

 

とあるお客さんから
私が相手に好意を寄せていると勘違いされ

そのお客さんからしつこく口説かれて
トラブルになったこともあった。

 

そのときに、

大好きだった上司から言われた言葉が胸に突き刺さった。

 

「お前がいつも色目使ってるからこうなるんじゃないのか?」

 

私がいつ色目使ったって…?

気持ちが暗く沈んで、目の前が真っ暗になった。

 

 

残業中、

悔しくて泣きそうになるのをこらえながら

気を付けます、と答えて。

 

その後もカラ元気で
他のお客さんの電話対応をして

お疲れ様です、と挨拶をして
深夜で真っ暗な外に出た。

 

駐車場でひとりになった時

悔しくて悲しくて、
涙があふれて止まらなかった。

 

 

「一生懸命生きてるだけなのに、私はみんなに迷惑をかけるのか」

 

 

ガラガラに空いた道路を
家まで車を走らせながら、

目に映る信号が全部にじんで溶けて何も見えなくなった、

あの胸の痛みの感覚を
6年経った今でも覚えている。

 

 

 

「もう営業なんて辞めちゃおうかな」

そう思ったこともある。

 

一生懸命やったって売れないし
おまけに色目使ったって言われて怒られるし

お客さんと話すのも
同僚と話すのも

もう何もかもが嫌だった。

 

 

 

だけど23歳のとき、
藁にもすがる思いで転職した先の広告会社で

思ってもみなかった言葉を言われた。

 

それは、

「そんなに物事を見抜く力があるなんて才能だよね。羨ましいな」

という同僚の言葉。

 

驚いて聞き返すと

「俺は人の気持ちに鈍感で、いつもお客さんを怒らせるからさ」

と彼は言った。

 

続けて、

 

「人の表情を見ているから
その人の感情の機微がわかるし

人の格好を見ているから
その人の喜ぶポイントを褒めてあげることもできるし

人の状況を見ているから
困ったときに誰よりもすぐ手を差し伸べられるでしょ」

と。

 

 

そしてきわめつけに

「愛さんは絶対売れるいい営業マンになるね」

とも言われたのだ。

 

 

私はめちゃくちゃびっくりした。

 

この人をじっと見る癖が才能だなんて
人から羨ましがられるなんて、

まさかそんなこと思ったことは一度だってなかった。

 

 

駐車場でひとり泣いたときとはまったく別の意味で

泣きそうになった。

 

悲しかったのでも、
悔しかったのでもなく、

ただ嬉しかった。

 

「そのままでいい」と初めて言ってもらえた気がして。

本当に嬉しかった。

 

 

その日から私は長く続いたこのコンプレックスを気にすることをやめた。

 

その代わりに

人をよく見て、
気づいたところはたくさん褒めるようにしたし

人をよく見て、
困ってることをなるべくすぐに見つけるようにした。

 

お客さんは喜んでくれた。

 

鳴かず飛ばずだった営業成績は
徐々に伸び始めて、

上司も喜んでくれた。

 

不思議なことに、
以前よりお客さんの目をちゃんと見て話をするようになったのに

しつこくプライベートで誘ってくるお客さんは全然いなくなった。

 

 

ああ、あれは私が
じっと目を見るからじゃなくて

きっと下を向いてる私の自信のなさが伝わって

そこにつけ込まれていただけだったのかもしれないな、とその時思った。

 

 

私に、
コンプレックスが才能になることを教えてくれたのは、いちばん近くで見ていてくれた同僚だった。

 

この気づきは
ずっと下を向いて生きてきた私に自信をくれた大切な学びだった。

だから、この気持ちはずっと忘れたくないと思っている。

 

 

それで今度は私が同じように、

うつむく誰かの肩を叩いて

「それすごい才能なんだよ」
と伝えてあげたいな、と心から思っている。

 

 

コンプレックスがあったからこそ、
コンプレックスに悩む人の気持ちがわかる。

あの時感じていた気持ちを絶対に忘れない。

 

何度でも初心に戻れるように、
この記事に残しておこうと思って書きました。

 

 

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この記事を書いた人

人見知りで大人しく、どんくさい性格が
子どものころからの強いコンプレックス。

そんな自分を変えたくて営業マンになるも、
毎日上司に怒鳴られ「辞めたい」と悩む日々。

しかし、24歳のときひょんなことから
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