弱みを強みにするには?
こんにちは、土谷愛です。
今日は、著書『自分を知る練習』の
読者さまから寄せられた質問
「弱みは、どうしたら強みになりますか?」
にお答えします。
『自分を知る練習』内で、わたしは
「コンプレックスは強みになる」
とお伝えしています。
しかし
「私のこの部分ってダメだな…」
と感じているところを、
「それはあなたの強みになりますよ!」
と言われても、
いきなり
「そっか!私の強みなのか!」
と思うのは、難しいかもしれません。
これまで「弱み」と思っていたところを
急に「強み」とすんなり捉えるのは
なかなか難しいですよね。
そこで今日は、
そのような「コンプレックス=弱み」を
強みにするために実践することを
お伝えします。
それは
【弱みの発動条件】を知ること
です。
どういうことかを説明しますね。
「弱み」の発動条件は?
もしかしたらあなたは、
自分が持っている特徴がダメだから
弱みになると思っているかもしれません。
でも実は、そうではないのです。
持っている特徴が「弱み」として
発動してしまう条件が整ったときに、
「弱み」となって現れてしまうのです。
なので、まずは自分の「弱み」が
どういう条件のときに発動するのかを
知ることが重要です。
そのために、自分の「弱み」を
細かく観察してみましょう。
たとえば、
大人数の飲み会が苦手だと
感じている場合。
「大人数」とは何人からなのか?
を具体的にします。
2人で飲みに行くときは、楽しい。
3人も楽しい。
4人も大丈夫なことが多いな。
でも5人以上になると、
決まって話せなくなる。
この場合は、「5人以上の飲み会」が苦手、
ということになります。
でも、もしかしたら
・人数が4人でも、初対面の人がいると
うまく話せないから苦手
・6人だったとしても、全員が気心の知れた
メンバーだったら楽しい
と感じることもあるはず。
この場合だと、
発動条件は「人数」だけではないということ
がわかりますよね。
「大人数の飲み会が苦手」という中でも、
「弱みの発動条件」は人によって違います。
そのため、自分の「弱み」を
細かく観察することがとても重要です。
例として、わたしが営業職だったときの
話をしましょう。
わたしが売り上げビリのときに
所属していた営業チームの方針は、
・1日に何十件も飛び込み営業をする
・話を聞いてくれる企業があったら、
5~10分でいきなりプレゼン
・もちろん、だいたいは初対面の方
このようなスタイルの営業が中心でした。
この状況は、わたしの
・超人見知り
・話すスピードがゆっくり
・アドリブが苦手
・おとなしい性格
という弱みが
バッチリ発動してしまう条件だったのです。
超人見知りなのに、
毎日、何十件と飛び込みで営業に行き、
何十人もの初対面の人と
話をしないといけない。
話せる時間が短いのに
話すスピードが遅くテキパキ話せないから、
必要なことをほとんど伝えられない。
アドリブが苦手だから、質問されても
その場で上手に答えられない。
おとなしい性格もあって
カラッと明るく話せるわけじゃないから、
「この子、大丈夫かな?」と思われて、
短い時間では信頼してもらえない。
など、弱みが発動する条件が
揃っていました。
このときわたしは、
・うまく話せない自分がダメなんだ
・おとなしい性格だから売れないんだ
と、すっかり自分に自信を
無くしていました。
そして、売り上げをあげるために
弱みを克服しようと
・トークの練習をしたり
・とにかく明るく振舞ったり
と、一生懸命頑張ったのです。
しかし、どんなに頑張っても
売り上げは上がらず、ビリのままでした。
やっぱりわたし、この仕事に向いていない。
そう思って落ち込む日々が続きました。
そんなある日、この状況が変わる出来事が。
それはチーム異動でした。
「弱み」が「強み」に変わった瞬間
異動した先の営業チームでは、
営業のスタイルが全然違ったのです。
このチームでは、
・訪問のアポを取る専門の人がいて、
1時間話せるという約束が確定した状態で
企業へ営業に行ける
・話せることが確約しているので、
訪問する企業に合わせた準備ができる
・前もって質問されそうなことも予想して
準備や対策ができる
・1時間じっくり話せるので、
ものすごく急いで話さなくても良い
など、わたしが持っていた様々な特徴が
弱みとして発動しにくい条件が
そろっていました。
それどころか
・じっくり話すことで相手の強みを見つけ、
提案に組み込むことができる
・ゆっくり落ち着いて話す姿が
信頼感につながる
・相手の話を真剣に聞けることで
信頼していただけて、
色々な意見を聞けるようになる
と、持っていた特徴が
「強み」として発動する条件に
変わったのです。
持っている「特徴」は同じですが、
その発動条件が変わったことで
「弱み」が「強み」として
活かされるようになった出来事でした。
もちろん、
このような差が生まれるのは
営業職だけではありません。
たとえば事務職であっても
①1ヶ月にやる業務が決まっていて、
締め切りまでに自分のペースでやる
②営業事務のように、その日に突発的に
依頼される急ぎの業務が多い
などのように、
条件が違う場合がありますよね。
急がされるとミスが多くなってしまう人が
②の条件の事務職を選んでしまうと、
毎日急ぎの業務が入り、ミスが増える一方で
辛くなってしまいます。
逆に、毎日同じことの繰り返しだと
飽きてしまって仕事が長続きしない人が
①の条件の事務職を選んでしまうと、
単調な業務の毎日が辛くなってしまいます。
なので、自分の特徴がどんな条件のときに
「弱み」になってしまうかを知り、
その発動条件がない環境を選ぶことが
大切なんです。
さらに言うと、副業や起業の場合も、
自分の特徴がどんな条件の場合に
「弱み」になるのか「強み」になるのかを
知っておくと、失敗が少なくなります。
わたしは起業当初、
不特定多数の人と一度に接するのが苦手な
自分の「特徴」をわかっていたので、
最初の商品は、コーチングのように
【1対1でお話しをする商品】を作りました。
結果、
お一人ずつの話をじっくり聞くことができ、
実績がなかったわたしでも信頼していただく
きっかけが生まれました。
自分の特徴が「弱み」ではなく、
「強み」として発動する条件で作ったのが
良かったなと、今あらためて思いますね。
「弱み」も「強み」も同じ…!?
ということで、今日は
「弱みは、どうしたら強みになりますか?」
という質問にお答えしました。
大切なのは
弱みの発動条件を知ること。
あなたの中に「弱み」「強み」が
存在するわけではなく、
あなたの持っている特徴が、
そのときの条件によって
「弱み」として発動したり
「強み」として発動したりするのです。
つまり、「弱み」も「強み」も
同じ「特徴」だということ。
だから、自分の持っている特徴が
「弱み」となる場所ではなく、
「強み」として活かされる場所を
知ることが重要です。
あなたが「弱み」だと感じていることが、
条件を変えても「弱み」なのか。
それとも条件を変えたら
「強み」として活かせるのか。
それをじっくりと考えてみましょう。
今まで「弱み」だと感じていたことが、
実は「強み」として
活かせるかもしれません。
ちょっとした推理ゲーム感覚で
「この条件の場合はどうなる…?」
と楽しみながら考えてみてくださいね!
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