仕事が楽しくない、辞めたいと思う人へ。売れる営業マンから盗んだ仕事の楽しみ方
こんにちは、土谷愛です。
突然ですが、「営業」という仕事。あなたはどんなイメージがありますか?
業界にもよりますが一般的には、ノルマがキツイとか、拘束時間が長いとか、営業成績をあげることがすべてで泥臭くて、いつもペコペコして、仕事は楽しいものじゃなく辛いものだと考えている…
こんなイメージがある方がきっと多いんじゃないかな?と思います。というか、実は就職する前の私がそう思っていました。笑
私は大学を卒業してから約5年ほど営業マンをやることになったのですが
やってみてわかったのは、上記のようなイメージは、実は、ただの売れない営業マンでしかなかったんです。
だって私の知っている売れる営業マンは全員めちゃくちゃ仕事を楽しんでいました。
私は入社当時、まったく売れないダメダメな営業マンでした。
でもだからこそ社内の売れる営業マンを徹底的に研究したことで、あることに気づいたのです。
実は彼らはビジネスを楽しむある1つの考え方を持っていました。
それに気づき、私も実践してみたところ
たった1年で、同期入社組をごぼう抜きして営業成績が1位になりました。
今日はそんな新人時代の私が衝撃を受けた、売れるスーパー営業マンのからくりについて解説したいと思います。
営業とは泥臭いものだ、と思っていた
社会人1年目の私は専門商社に入り、有形商材の営業(いわゆる物売り営業)をしていました。
各メーカーから商品を仕入れて、それを担当する小売店に営業し卸す仕事です。
当然ですが、営業には売上ノルマがあって、月にいくら売らなければいけないかが個人ごとに決められていました。
実は営業を始めたころ、すごく嫌だなと思っていた仕事があります。
いくら大手メーカーと言えど、内情はヒット商品ばかりではなく、その影にはたくさんのあまり売れなかった商品というのも存在します。
商品の売れ行きが良くなくて在庫過多になりそうなものは、そのまま放置すると売り時を逃してしまうため、一日も早く売り切らなければいけません。
そこで通常の売上ノルマに加えて、その在庫過多商品(不良在庫と呼びます)の売り切り目標が各個人に上乗せされるんです。
(例えばひとり最低20件の得意先に売る、合計で最低100個は売る…みたいな)
そして毎日その不良在庫を前日いくつさばけたのか、全体朝礼で名指しで発表されます。
これがかなりのプレッシャーでした。売れないと、当然ながら「なぜ売れないのか?」詰められるので、それが続くと何となく会社に戻りづらくなっていきます。
新人の私はその光景に圧倒され
営業って、お客さんが欲しがっていないものでも売らなきゃいけないんだ…
とショックを受けたのを覚えています。
市場で売れずにメーカーに残っている商品を、お客さんにオススメして売る。(もはや買わせる?)
これが当時の私はどうしても納得できなくて、言い方は悪いですが、お客さんを騙して売るみたいな感覚がとても強かったんです。
当然、そんな憂鬱な気持ちのまま、その商品を持っていつもお取引きのあるお客様のところへ行っても「うちはいいよ〜」の一言で断られ、終了。
それでも営業目標のために、「何とかお願いします」と頭を下げてみれば、『その商品見たことないけど市場で売れてるの?』と聞かれてしまう始末。
売れてないから在庫過多なわけなので、そう聞かれてしまうと言葉を濁すしかありませんでした。
そしてまた次の得意先へ頭を下げに行く。
そんな繰り返しの毎日に「営業ってやっぱり泥臭いんだ…私、この仕事向いてないかも」と思い始めていました。
ところが、その考えを見事に180度変えてくれたのが、当時の私の上司でした。
彼は、会社でもトップクラスのバリバリに売れる営業マン。不良在庫もいつもすんなり売ってきて、一瞬でノルマを達成していました。
私はこんなに苦労してるのになんで…?と、すごく不思議でした。
最初は、上司の得意先は大きな得意先だからお金があって買ってくれるのかなぁ、なんて思っていたのですが、販売先を見てみると、田舎の小さな小売店もある。。ますます不思議…。
しかも毎日売れなくてどんよりしている私と違って、いつも楽しそうに仕事をしていて、楽しそうにものを売っていて。
さすがにコレは絶対誰も売れないだろう、みたいな微妙な商品も、なんと一本の電話で片付けてしまう。
もう本当に心の底から不思議で「何でだろう?」と気になって仕方がありませんでした。
そこで私は彼を徹底的に観察し、気がついたんです。
上司と私には根本的に違うところがあるということに。
スーパー営業マンは口癖に秘密があった
上司はバリバリに売れるスーパー営業マン。
いつも楽しそうに働き、残業せずに夜はサクッと早く帰る。売上ノルマも早期達成。追加ノルマが出来ても電話一本で売りさばく。
一方でその頃の私はと言うと
増え続ける売上ノルマに追われ、毎日、得意先に頭を下げて回ってばかり。
お客さんが欲しくないものでも営業だから売らなきゃいけないと思い、ストレスフルな日々。
ノルマ達成のために1日に大量の顧客回りをし残業続き。仕事なんて正直まったく楽しめていない、ただ必死なだけの毎日でした。
同じ仕事をしていても、まるで違う2人。
私と上司は何が違うんだろう?と不思議で仕方なかった私は徹底的に上司を観察することにしました。その結果、彼の口癖にその秘密があったんです。
その彼の口癖とは、「その仕事、みんなが幸せになるのか?」という問いかけでした。
自分本位では物は売れない
当時の私の仕事のやり方は、営業=ノルマ達成が仕事という意識に縛られるあまり
自分が売りたいときに
自分が売りたいものを
自分が売りたい分だけ
売ることを考えていました。
つまり無意識のうちに自分本位な仕事のスタイルになっていたんです。誰もそんな営業マンからものは買いたくないですよね。
その一方で、スーパー営業マンの上司がいつも言っていたことは、「その仕事ってみんなが幸せになるの?」
今思えば、ビジネスで大切なことがこの一言にすべてが集約されている気がします。
自分がものを売ることで小売店であるお客さんの役に立ち、その結果、消費者に喜ばれる。
彼の頭の中には「いくら売上を上げるか」というこだわりは無く、”自分の信念に基づいた仕事のやり方”にこだわっていたんです。
考えてみれば確かに彼の担当する顧客はすこぶる業績が良く、営業マンである彼は顧客からいつもありがとうと感謝されている。
そのことが何よりの証明だと思いました。
そんな状態なら、仕事が楽しいのは当然ですよね。
新人の私と上司では知識や経験の差ももちろんあるけど、根本的に仕事のスタンスが全く異なっていたことを知り、自分を改めるきっかけになった出来事でした。
ビジネスの本質を知れば、営業は楽しい
それまで私は、自分の仕事への向き合い方を疑いもせず、「営業ってなんて泥臭いんだ」と思い込んでいました。でも上司のように圧倒的にビジネスを楽しんでいる人を前にすると、そんな自分が恥ずかしく思えてきました。
営業という仕事が辛かったのではなく、自分の仕事への向き合い方がそう感じさせていたんだ、と知りました。
大切なのは、何の仕事をするか?よりも、どんなスタンスで仕事をするか?だったんだな、と。
この考え方に、新人時代に気がつくことができたことは幸せだったなと思います。
それからというもの、上司の仕事を徹底的に真似しました。
売上ノルマが発表されてからまず考えることは「みんなが幸せになるにはどうするか?」
それまで不良在庫があれば「いくらどこに売るか?」しか考えていなかったのですが、それよりもまず「誰がどんなシーンで使うと幸せなのか?」と、消費者の顔を思い浮かべながら考えるようになりました。
じゃあどの小売店に売ればその消費者に届くだろうか?
どんなコピーをつければその消費者は魅力に感じるだろうか?
そんなことをひとつひとつ想像しながらお客さんと接し、議論しながら物を売っていくのは本当に楽しかったですね。
こうやって仕事のスタンスを変えただけで、私の売上は右肩上がりに伸びていき、同期の中で最下位だった営業成績は気がつけば1位になりました。
嘘みたいですが、大嫌いだった営業が楽しくて仕方なくなりました。
このとき教わった「ビジネスとはみんなを幸せにするものだ」という考え方は、どんな仕事にも通ずるビジネスの本質だと思います。
この話は、今仕事が思うように楽しめず悩んでいる方に向けて、こんな考え方も知って欲しいなと思って書きました。少しでも参考になれば嬉しいです。
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